HF用エンド・ローディング・アンテナの製作

はじめに
山でHFを運用するために短縮型のダイポールアンテナを作ってみました。使用目的が山岳移動での5W運用(FT−817を使用)ですので使用するケーブルは細めの物を使い軽量化を図ってみました。


仕様
「エンド・ローディング・アンテナ」と言うのは導線の先端に近く挿入されたインダクタンスの大きいローディングコイルの、それよりも高いある特定周波数におけるトラップ・コイルのようなチョーク作用をうまく利用した2バンド用のアンテナです。製作したアンテナは下図のように高い周波数を21MHzとして、低い周波数を7MHzと10MHzの2バントが利用できるように設計してみました。


材料
サガ電子工業株式会社 AW−2.8  約12m
1.2mmのケーブル  約16m  (コイル用)
直径20mmのアクリルパイプ  約0.4m
FCZ研究所のバラン  1個
その他  ネジやワニグチなど


作り方

短縮型のダイポールアンテナなのでコイルを製作してしまえばほとんど完成と同じです。

まずコイルの製作ですが、アクリルパイプを適当の長さに切って(170〜190mm)巻き始めと巻き終わりの位置にケーブブル固定用に直径3mmのネジを付け、次に35巻きの位置に直径2mmのネジを付けます。そしてケーブルを巻き始め35回巻いた所で2mmのネジに一度固定してから(ショートさせる)残りの61回を巻きます。これで7MHz用のコイルの完成です。最後にコイルの終端から180mmのショートケーブルをつけます。このケーブルで2mmのネジの所(35巻きの点)でショートさせると10MHz用のコイルになります。(ショートケーブルの長さは10MHzの同調点に影響します)



次にバランですが、私はFCZのバランを利用しています。バランの製作についてはFCZの資料をご覧ください。

バランを固定する部分は、テントなどのロープの長さ調整に使う道具の両端に圧着端子を利用してケーブルを固定して製作しました。


バランについての補足。FCZのバランが手に入らなくなってきています。コアだけを売っているのを見つけましたので型番(トロイダルコア 2E2B TRB トミタ電機)を書いた写真をアップしておきます。

残る調整ですが、まずは21MHzの部分のケーブルの長さを調整して同調をとります。そしてコイルから下のひげの長さを調整して7MHzに同調させればほぼ完成です。後はショートケーブルでショートさせてみて10MHzに同調すれば完成です。


最後に
完成したアンテナです。私はこのアンテナのポールとして玉網を利用して逆Vアンテナとして使用しています。省スペースで上げられるので便利です。

ほるす(後藤 @ JR1NNL )